色彩を使って安全性を高める方法

色彩を用いて介護現場の安全性を高めるには、どのような点に工夫すればいいでしょうか。

一つ目に言えるのが、コントラストに気をつけることです。
人は高齢になると光を眼に取り入れにくくなるため、色の違いを認識しづらくなります。たとえば、壁と手すりがどちらも白に近い色だと、高齢者が手すりをつかみそこなって転んでしまう原因になります。
問題に対する対策として、手すりを木製にする方法があります。木製にすれば、コントラストがはっきりするためリスク回避になります。

また、階段でも同様です。同じ色調であれば、踏み外しの原因になるため、材料を組み合わせるか、一段ごとの出っ張り部分にラインを引いてわかりやすくするなどの対策が大切です。

工夫するべき二つ目は、採光度を上げることです。
一般的に高齢者の眼は、明暗の変化に対応するまでに時間がかかると言われています。そのため、廊下やトイレなど窓が少なく、薄暗くなりがちな場に所は、光源を使ってしっかり照らしてあげることが大事です。
加えて、カーテンなどで窓を完全にシャットアウトしてしまうことも避けた方がベターです。もし外の光がまぶしい場合は、レースカーテンなどを通して自然の光を取り入れるようにしましょう。段差など危険な箇所には、見えやすい物を脇に置くなどしてわかりやすくしましょう。

そして三つ目は、色彩のサインを使うことです。
たとえばトイレの入り口にある男女の形をしたマークなども、色彩を使ったサインの一種です。高齢者は白内障や老眼などで、若い人よりも文字が見えにくくなっています。そのため、レクリエーションや談話室、個々の部屋、介護職員のステーションの目印として、高齢者が認識しやすい違う色のサインを使えば、利用者自身も場所の認識をしやすくなるでしょう。

このように、色彩を上手く日常に取り入れることは、高齢者のリスク回避やサポートに繋がります。興味がある方は、介護現場で使える色彩の知識について調べてみてはいかがでしょうか。

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